施工例
降雨による土砂災害復旧に最適な箱型擁壁
降雨による土砂崩れがあった現場に採用となりました。決め手となったのは、排水性能の高さと、コンクリート打設がない箱型擁壁が気温の低い冬季施工に最適だったことです。
当該現場は、十和田湖と岩木山のちょうど中間ぐらい、山間部から平野部に変わる付近のリンゴ畑に囲まれた場所にあります。斜面が大雨によりブロック積み擁壁ごと大きく崩れたもので、復旧には排水性の良い擁壁が求められていました。裏込め材が砕石で水はけがよい、耐震性能にも優れる箱型擁壁はこの現場にぴったりマッチします。また、周りが畑なので施工は渇水期である冬場になるため、時には気温が氷点下にもなるようなこの現場では、コンクリート養生の必要のない工法というのも選択肢の一つとなっていました。
写真は、施工完了後しばらく経った暖かい晴れた日に撮影したものです。構造的な高性能もさることながら、箱型擁壁が整然と並ぶいわゆる”機能美”や、意外にも周りの”自然と調和”していることにも驚かされます。
発注者 : |
青森県平川市役所 様 |
工事名 : |
唐竹井沢1号線 |
現場住所: |
青森県平川市唐竹地内 |
竣工時期: |
2019年3月 |
施工規模: |
壁高:10.0m 延長:40.5m |
施工面積: |
385㎡ |
使用現場 |
設計条件 |
勾配・形状 |
災害復旧 |
Φ=35°、c=0kN/㎡、γ=17.0kN/㎡ |
1.0:0.5・盛り土、直線形状 |
現場担当営業からの意見と感想
箱型擁壁採用ポイント |
経済的で生コンを使用せず施工が早く、技術審査証明を受けている。 |
施工ポイント |
前面に水路があり、渇水期の冬季に施工する計画だったため、降雪に悩まされました。また、コンクリート打設が延長調整コンのみなので、冬季施工のこの現場に箱型擁壁は最適だったと思います。
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設計ポイント |
粘着力が見込めないため、当初、設計に苦労しました。背面地山の下部が強固だったため対応可能となりました。
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