2018年 10月号

2018年 10月号

安全!安心!箱型未来通信

2018年 10月号

Oct-2018
vol.28 

箱型擁壁は耐震性・排水性・安全性・環境性・施工性・経済性に優れた工法として、発売以来25年に渡り全国各地で採用され、施工面積はすでに658,830㎡を超えています。箱型未来通信では、最新の箱型擁壁の採用事例や技術情報をご紹介いたします。
施工事例1 福島県 道路拡幅工事にて河川の護岸兼用(Lタイプ・Mタイプ併用) 河川護岸

ご採用頂いたポイント: 施工性にすぐれ景観に適した箱型擁壁!
河川での施工事例です。当初は重力式擁壁との比較検討から始まりました。経済性では重力式擁壁が優位でしたが、施工性に勝る箱型擁壁を採用していただきました。壁高が4m以下は経済的に安価な棚田擁壁を採用し、4mを超える箇所は箱型擁壁で対応いたしました。また、水の流れがある箇所は砕石が流出しないように遮水コンクリートを対策として小段に打設しました。施工は縦断勾配なりの施工でしたので基礎の高さなど入念に確認し施工致しました。竣工後の現場をみるととても綺麗にできており、嬉しかったです。予備設計から7年近く関わり思い出の現場となりました。
発注者 : 福島県県北農林事務所 様
工事名 : 森林居住環境(県・農)
大霊山線2701工事
現場住所: 福島県伊達市霊山地内
竣工時期: 2016年5月
施工規模: 壁高:6.5m 延長:106m
施工面積: 447㎡
設計のポイント 重力式擁壁との比較でした。経済性のみでは重力式の方が安価でしたが、施工期間は箱型擁壁の方が短いため総合評価で箱型擁壁と決定いたしました。
施工のポイント 106mの延長のうち、60mは棚田擁壁で施工を行い。残り46mは箱型擁壁で施工を行いました。製品が途中で切り替わるため、念入りに施工方法など打合せを行いました。
[ 設計条件] Φ=30.0kN、c=0KN、γ=19.0KN 勾配・形状: 5分・切土、曲線

 
施工事例2 北海道 倒壊した既設波返し擁壁の災害復旧! 災害復旧

ご採用頂いたポイント: 波による侵食を防止する擁壁を構造物の間に構築する
既設波返し擁壁の倒壊により擁壁背面の法面および道路が波の影響を受け侵食される懸念があるため、倒壊した擁壁の背面側に箱型擁壁を構築しました。
現場は岩山と既設構造物(波返し擁壁、ウィング)に囲まれた場所のため、擁壁の配置決めが大変でした。
前面は海のため小段部から壁体材の流失が懸念されるので小段部にシールコンクリートを提案しましたが、厳寒期の施工でコンクリート打設以外による対策を求められたため、小段部にはネトロンシートを設置し壁体材の流失防止を図りました。
発注者 : 帯広開発建設部広尾道路事務所 様
工事名 : 一般国道336号広尾町泉浜
越波防止柵設置外一連工事
現場住所: 北海道広尾郡広尾町
竣工時期: 2017年2月
施工規模: 壁高:6m 延長:14m
施工面積: 84㎡
設計のポイント 岩山と既設構造物に囲まれた場所に適切に箱型擁壁を配置するため、設計会社様と何度も協議を重ねました。
施工のポイント 岩山とすりつける端部の処理方法に関して施工業者様と打ち合わせました。
[ 設計条件] Φ=30.0kN、c=0KN、γ=19.0KN 勾配・形状: 5分・直線

 
施工事例3 福島県 トロッコ電車が走る、植生箱型擁壁! 民間造成

ご採用頂いたポイント: 床掘りが少なく、生コンを使用しない、景観に優れた擁壁!
福島県会津若松市を眺望できる高台、一箕町松長住宅団地内に、2017年9月、会津中央病院複合施設(老人ホ-ム・カフェレストラン・ス-パ-マーケット・温泉施設) が建設されました。施設外周をトロッコ電車が走るという壮大な計画に最初は信じられませんでした。 トロッコ電車が通過する陸橋 L=60Mの橋台脇を箱型擁壁で土止をして、植栽をしました。隣接する小学校や住宅地の景観を損なわぬ様に設計施工されたと自負しております。
発注者 : 財団法人温知会 会津中央病院 様
工事名 : 会津中央病院複合施設造成工事
現場住所: 福島県会津若松市一箕町
竣工時期: 2017年9月
施工規模: 壁高:6m 延長:33m
施工面積: 196㎡
設計のポイント 擁壁前面に民家、擁壁の上に道路(幅員7m確保)、さらに横に民家と、設計する上で制約がありました。工法を選定する上で重視されたのが床堀り幅が少なくコンクリートを使用しない為、施工が早い箱型擁壁が採用になりました。
施工のポイント 初めての施工でしたが、一段目が決まれば、楽に積み上げていけると、施工業者様にも好評でした。
[ 設計条件] Φ=30KN、c=8.0KN、γ=18.0KN 勾配・形状: 5分・盛土・直線

 
施工事例4 福島県 トンネル坑口での施工事例! 道路改良

ご採用頂いたポイント: トンネル坑口の安全確保のため、明度の低い箱型擁壁を採用!
トンネルの坑口で計画され施工した物件となります。坑口の前には県道もあり、狭小スペースでの施工となりました。資材置場・クレーンの配置など施工前の打合せを念入りにさせて頂きました。また、坑口ということもありトンネルを出てから、道路脇のコンクリート用壁が光を反射して車の運転に支障が無いよう、コンクリート明度にも気を使い箱型擁壁も通常の石積模様ではなく、明度が低い陰影模様を採用いたしました。実際に施工が始まるとスムーズに進み、あっという間に施工は完了いたしました。
発注者 : 福島県いわき市役所 様
工事名 : 内郷・湯本線
掘坂トンネル新設工事
現場住所: 福島県いわき市内郷綴町
竣工時期: 2017年9月
施工規模: 壁高:10m 延長:27m
施工面積: 252㎡
設計のポイント 切土のため、現場打ちコンクリート工が必要な大型積みブロックではなく、単粒度砕石で構築する箱型擁壁を採用致しました。
施工のポイント トンネルの坑口で県道が近かったため、作業スペースが限られており、資材置場・クレーンの配置など気を使うことが多かったです。
[ 設計条件] Φ=20KN、c=10.0KN、γ=17.0KN 勾配・形状: 切土・5分・直線