2021年 1月号

2021年 1月号

安全!安心!箱型未来通信

2021年 1月号

Jan-2021
vol.36
 
箱型擁壁は耐震性・排水性・安全性・環境性・施工性・経済性に優れた工法として、各地で箱型擁壁工法が採用されています。耐震性に優れ急速施工が容易で災害復旧にも最適な工法として全国で2817件の採用実績があります。箱型未来通信では、全国の箱型擁壁の採用事例をご紹介しています。
 
施工事例1 山口県 平面折れや曲線部でも容易に施工できる箱型擁壁! 宅地造成

ご採用頂いたポイント: 平面折れ部でも現場打ちコンクリートを使用せずに積める
当該現場は敷地拡張するための造成工事(民間)に使用する土留ブロックでした。当初は、大型ブロック(練積み構造)の設計でしたが、計画は用地の制約を受けるために平面折れが点在しており、施工業者様より平面折れや曲線部でも容易に施工できる工種はないかと相談を受けました。そこで、平面折れや曲線部の施工でも実績があり施工性の良い箱型擁壁をご提案したところ採用となりました。出来上がりを確認すると端部、平面折れ部に現場打コンクリートが無く、連続したテクスチャーが確認できるため景観的にも良いものができたと思います。
発注者 : 山口県民間工事
工事名 : 岩国若葉園擁壁工事
現場住所: 山口県岩国市由宇町
竣工時期: 2017年4月
施工規模: 壁高:8m 延長:73m
施工面積: 338㎡
設計のポイント 設計時には土質試験が無く必要粘着力で設計を進めていました。施工時の土質試験結果で問題はなかったのですが、出来る限り設計時に土質調査を行ったうえで設計するべきだと思いました。
施工のポイント 平面折れが点在していることから、設計と現場での延長とで差異があり、何度も割付修正を行うこととなり苦労しました。
[ 設計条件] Φ=30°、c=11.0kN/㎡、γ=19.0kN/㎥ 勾配・形状: 1:0.5 盛土・直線・平面折れ

 
施工事例2 和歌山県 「箱型擁壁はよ~曲がる(良く曲がる)!!」クネクネ擁壁 道路改良

ご採用頂いたポイント: 曲がりくねった山道の線形に合わせて積める
今回ご紹介する現場は、和歌山県中央部の有田郡にある町で、全国的に有名なブランドみかん「有田みかん」の主要産地です。生産量は全国生産量の約1割を占めており、和歌山県で生産されている柑橘の中でも代表的なブランドです。
この地域のみかん畑は急峻な山の斜面にあり、そこに広がるみかん畑の眺めは壮観で、見応えがあります。ご紹介する現場もそんなみかん畑へ続く曲がりくねった山道でした。
今回施工を終えて、思ったことは、「箱型擁壁はよ~曲がる(良く曲がる)!!」でした。一般的な大型ブロックでは現場打ち部が多くて景観や施工性が全然違ったことでしょう。道路が拡幅されトラックで美味しいみかんを快適に運べる道になれば嬉しいですね。
発注者 : 和歌山県有田川町役場 様
工事名 : 町道有原西ケ峯線道路改良工事
現場住所: 和歌山県有田郡有田川町
竣工時期: 2018年7月
施工規模: 壁高:10.0m 延長:55m
施工面積: 430 ㎡
設計のポイント 現場が山間部で、急傾斜地・曲線・縦断勾配・湧水と悪条件がそろう中、対応できるのが箱型擁壁だけだった。
施工のポイント ・曲線に加えて縦断勾配なりでの施工だったため、最下段の施工が困難でした。
・現場打部に化粧型枠をすれば尚良くなっていたと思いました。
[ 設計条件] Φ=30.0°、c=10.0kN/㎡、γ=30.0kN/㎥ 勾配・形状: '1:0.6・切土・盛り土、曲線形状

 
施工事例3 奈良県 法面崩落の復旧工事に採用!早期復旧が可能な箱形擁壁! 災害復旧

ご採用頂いたポイント: 耐震性、景観性に優れ、現場打ちコンクリートが要らない
当該現場は法面崩落の復旧を行う工事でした。当初設計は大型ブロックを使用する計画で崩落場所の上に墓地があり昇降用の階段が真横にある現場でした。
近隣住民が頻繁に立ち寄る場所であることから、耐震性・景観性に優れた箱型擁壁を使い復旧作業を行うこととなりました。また、殆ど現場打ちコンクリートを使用しないという事で、全体工程が組みやすいと言っていただけました。製品本体の据付と砕石の転圧の繰り返しで構築しますが慣れてくると、日に日に施工業者様の施工スピードが上がって、仮置き場が空になってしまいそうになった事もありましたが、無事に施工を終える事が出来ました。
完成時の見栄えの良さも発注者様からも高評価を頂きました。
発注者 : 奈良県橿原市役所 様
工事名 : 道路災害復旧工事422
現場住所: 奈良県橿原市南浦町
竣工時期: 2018年7月
施工規模: 壁高:8m 延長:47m
施工面積: 305 ㎡
設計のポイント 当初、大型ブロックでの復旧が検討されていましたが、早期の復旧が急務の現場であり、コンクリートを使用しない箱型擁壁が採用されました。
施工のポイント 箱型擁壁の施工は初めての業者さんでしたが、現場搬入の際も仮置ヤードを設け、施工・製品搬入ともにスムーズに工事を完了できました。
[ 設計条件] Φ=30.0°、c=6.5kN/㎡、γ=19kN/㎥ 勾配・形状: 1:0.0・切土・直線

 
施工事例4 兵庫県 ため池腰積ブロックに箱型擁壁!耐震性・排水性・施工性抜群!! ため池腰積

ご採用頂いたポイント: 農閑期に限定された工期に敷設が可能、施工が早い擁壁
当該施工場所は、兵庫県宍粟(しそう)市です。県中西部に位置して、市内には日本の滝百選にも選ばれた『原不動滝』があり、ブナやモミんなどの原生林に囲まれた清流が3段状になって、落差88mの岩肌を滑り落ちる姿は、とても美しく荘厳な場所です。
自然豊かな地域で、ため池が数多く点在している場所ですが、歴史も古いことから老朽化対策、耐震性対策の工事が進んでいます。
その中で、施工時期が冬に限られる“ため池工事"で、耐震性に優れ排水性が良く、施工の早い箱型擁壁が採用に至りました。
発注者 : 兵庫県西播磨県民局光都土地改良センター様
工事名 : 上牧谷地区高牧上池改修工事
現場住所: 兵庫県宍粟市山崎町高牧 地内
竣工時期: 2018年4月
施工規模: 壁高:1~5m 延長:12m
施工面積: 38.5㎡
設計のポイント ため池工事のため調査設計時に土質試験等詳細な調査が行われており、しっかりとした資料があり、箱型擁壁を提案する上で、有利なポイントが多くあった。
施工のポイント 降雪の少ない地域でしたが、たまたま降雪の多い年の施工となってしまいました。その中でも、箱型擁壁は、降雪にあまり影響されることなく、順調に構築することができました。
[ 設計条件] Φ=32.1°、c=7.0kN/㎡、γ=19.1kN/㎥ 勾配・形状: 1:0.5・ 盛り土、直線

 
施工事例5 兵庫県 本堂の建て替えに伴う、建物裏の法面工事 法面工事

ご採用頂いたポイント: 工期短縮と経済性の優位から箱型擁壁をご採用。
兵庫県多可町にあるお寺「観音寺」の建て替えに伴う建物裏の法面工事が発注される情報が入り、問い合わせを頂きました。お寺の本堂以外にも自宅が近くにあるため、大型重機が入らない場所です。本堂の建て替えの工期が決まっており、製品の短納期、施工スピードが求められる現場でした。当初は現場打ち擁壁案が出ていましたが、生コンの単価アップから経済比較をして、箱型擁壁の案が浮上、価格的にもご納得いただき、無事設計出来る運びとなりました。しかし、決め手は、ドライ工法による施工と、見た目が非常に寺院の景観に見合うとの事で、気に入ってもらいご採用いただきました。今回は箱型擁壁の、特徴を生した提案が出来てお客様の満足に繋がった事案だったと思います。
発注者 : 兵庫県多可町役場 様
工事名 : 奥中地区観音寺裏治山工事
現場住所: 兵庫県多可郡多可町中区奥中
竣工時期: 2019年7月
施工規模: 壁高:4.0m 延長:36.5m
施工面積: 159 ㎡
設計のポイント 施工も含め短納期が求められる中、スムーズな設計出来た。
施工のポイント 据付するにあたって、折れ点と端部処理と延長調整の施工がポイントであった。
[ 設計条件] Φ=30.0°、c=0 kN/㎡、γ=18.0kN/㎥ 勾配・形状: 1:0.5・切土、直線・曲線混在形状