2024年1月号

2024年1月号

安全!安心!箱型未来通信

2024年1月号

Jan-2024
vol.46
 
箱型擁壁は耐震性・排水性・安全性・環境性・施工性・経済性に優れた工法として、各地で箱型擁壁工法が採用されています。さらに、急速施工が容易で災害復旧にも最適な工法として全国で2944件の採用実績を積み重ねています。
箱型未来通信では、全国の箱型擁壁の施工事例、採用事例を毎回ご紹介しています。
 
施工事例1 新潟県 縦水路の補強として使用した箱型擁壁 道路工事

当該現場は市道で乗用車のすれ違いが出来ないほどの非常に狭い道路でした。降雨により既設の暗渠が被災を受けコンサル様から相談を受け工法検討に入りました。
いろいろな工法が候補に上がりましたが排水機能の復旧が主な目的であり、管理し易い開渠としてその保護を含めて最終的に8分勾配×13段という特殊な箱型擁壁の採用となりました。設計段階で多方面の協力も頂きながら施工計画も検討したこともあり施工は工期が限られた中、比較的順調に行うことが出来ました。
発注者 : 新潟県上越市役所
工事名 : 河防第2-2-2号 災害防止対策工事
現場住所: 新潟県上越市安塚区細野地内
竣工時期: 2021年7月
施工規模: 壁高:13.0m 延長:6m
施工面積: 40㎡
       
設計のポイント 設計時において現場は道路幅が狭く施工計画において弊社施工部、施工業者さんなどに相談しながら進めました。
採用のポイント 当初道路肩から盛りこぼしにして大型ブロックの検討もしましたが道路幅が狭く大型重機が使用しづらい現場であった点や、元々既設の縦水路がオーバーフローして被災を受けたことで施設保護の意味からも箱型擁壁での採用となりました。
[ 設計条件] c=0KN/㎡・Φ=35・γ=20KN/㎡ 勾配・形状: 切土 / 1:0.8 / 緑化無し

 
施工事例2 長野県 10年前の擁壁に継ぎ足しができる箱型擁壁 道路改良

過去に箱型擁壁を構築した現場上部の道路拡幅が決まり、既設の箱型擁壁に新たに2段箱型擁壁を積み足す形で工事が発注されました。
今回の施工は10年以上前に積んだ箇所へ2段分積み足しをする工事です。部分的に沈下しているところも見受けられましたが、箱型擁壁の中詰材は単粒砕石のため、砕石を追加して現場形状に添わせての施工をしていただきました。施工していただいたゼネコン様は、過去の経験を活かしてただき不陸を修正して緩やかなカーブ施工をきれいに仕上げていただきました。
発注者 : 長野県飯田市役所
工事名 : 令和4年度市道改良事業道路
改良工事市道千代70号線
現場住所: 長野県飯田市千代毛呂窪
竣工時期: 2023年3月
施工規模: 壁高:2m 延長:20m
施工面積: 86㎡
       
設計のポイント 上部の盛土を撤去し箱型擁壁を2段追加しての道路拡幅でしが、擁壁の勾配を変えずに2段分擁壁を高くしました。
採用のポイント 以前積み上げた箱型擁壁の上部の盛土を一部撤去し、新たに2段箱型擁壁を積み足して道路拡幅する工事でした。以前積み上げた箱型擁壁の盛土を撤去すると擁壁に変動がみられました。
高さ調整を行いながら新たに積み上げる工事となり施工する一番のポイントとなりました。
[ 設計条件] c=0KN/㎡・Φ=30・γ=19KN/㎡ 勾配・形状: 切土・緑化無し・勾配:1:0.5

 
施工事例3 長野県 湧水が多くても箱型擁壁なら安心 防災防除

当初の設計では吹付け法枠で計画されていましたが、法面からの湧水が多量であったため箱型擁壁を提案し採用いただきました。
施工は12月と冬場工事であること、上高地に近い場所で非常に気温が低い中での施工でした。
箱型擁壁は、生コンクリートを使用する必要が無いため、ブロック敷設、単粒度砕石の投入と非常にスピーディーに施工を行う事ができました。
当該現場は、上高地の入り口付近で観光客の目にも留まりやすい場所で見た目にも自然に調和した擁壁になったかと思います。
発注者 : 長野県松本建設事務所
工事名 : 平成30年度 防災・安全交付金(安全安心)
災害防除(緊急対策事業)工事
現場住所: 国道158号線 松本市中の湯1工区
竣工時期: 2019年12月
施工規模: 壁高:9m 延長:10.2m
施工面積: 117㎡
       
設計のポイント 地山が固く掘削ができない構造のため切土の条件で安定計算をしました。
採用のポイント 湧水が多く高排水性擁壁という点で採用されました。
[ 設計条件] c=6KN/㎡・Φ=30・γ=19KN/㎡ 勾配・形状: 切土・緑化有り・勾配:1:0.5

 
施工事例4 新潟県 天候に左右されず施工性に優れた箱型擁壁 災害復旧

この現場は送電線工事の為の工事用道路において降雨被災を受けた現場でした。
当初はブロック積で検討されていましたが工程が梅雨時期に想定されたことと、現場が生コン工場からの運搬距離もあり現場打ちコンクリートを使用しないで施工可能な箱型擁壁が採用されました。
施工業者様からも施工性(特に曲線部)に優れており容易に施工が出来たことに高い評価を頂きました。
また現場付近は資材置場も限られていた為、製品種類が少ない箱型擁壁の特長が活かせました。
発注者 : 黒部川電力株式会社
工事名 : 信姫六線新設準備工事
現場住所: 新潟県糸魚川市大字小滝
竣工時期: 2019年7月
施工規模: 壁高:4m 延長:4m
施工面積: 160㎡
       
設計のポイント 曲線と直線の組み合わせの線形で当初設計のブロック積に比べて箱型擁壁は曲線なりに容易に割付可能でした。
採用のポイント 当初ブロック積で検討されていましたが生コン工場から現場までの距離があり、施工時期も梅雨時が想定されコンクリート不要の箱型擁壁が採用されました。
[ 設計条件] c=0KN/㎡・Φ=30・γ=19KN/㎡ 勾配・形状: 切土 / 勾配:1:0.5