2022年12月号

2022年12月号

安全!安心!箱型未来通信

2022年12月号

Dec-2022
vol.42
 
箱型擁壁は耐震性・排水性・安全性・環境性・施工性・経済性に優れた工法として、各地で箱型擁壁工法が採用されています。耐震性に優れ急速施工が容易で災害復旧にも最適な工法として全国で2895件の採用実績があります。箱型未来通信では、全国の箱型擁壁の採用事例をご紹介しています。
 
施工事例1 北海道 住宅街の用地に干渉せずに擁壁前面のランプ建設用地を確保! 高速道路

最大級の実績-NEXCO札樽道

東日本高速道路㈱ 北海道支社の発注工事としては、最大規模の実績物件です。
高速道路本線脇が施工箇所で通行する車両から目立つ場所です。施工中は中詰め材である単粒度砕石の調達に苦慮されていました。胆振東部地震発生の影響により工事自体が一時中断となり、再開後非常にタイトな工事工程の中で施工された案件でしたが、計画より順調に進捗し、箱型擁壁の施工性が評価された物件です。
発注者 : 東日本高速道路株式会社
工事名 : 札樽自動車道 手稲IC改築工事
現場住所: 北海道札幌市手稲区
竣工時期: 2019年8月
施工規模: 壁高:7.5m 延長:150m
施工面積: 870㎡
       
設計のポイント 施工時と施工後に擁壁背面の住宅街の用地に干渉せずに擁壁前面のランプ建設用地を造成できる工法が求められ、法面の改良を検討していた施工会社のご紹介により箱型擁壁を検討していただきました。
採用のポイント 他工法では施工できず、最終的に箱型擁壁を採用したいとコンサルから相談されました。箱型擁壁の設計に必要な条件をコンサル様へ提示し、それを受けてコンサル様に背面土の改良を検討していただきました。設計コンサルと製造メーカーが他工法ではできない現場を箱型擁壁で施工できるように協力して設計しました。
[ 設計条件] c=60KN/㎡・Φ=0・γ=17KN/㎡ 勾配・形状: 切土(背面改良)・緑化無・勾配=1:0.5

 
施工事例2 宮城県 嵩上げ道路に箱型擁壁を採用 災害復旧

津波避難に有効な擁壁

東日本大震災後まもなく設計業務が始まりましたが、当時は生コンクリートの慢性的な不足がいつまで続くか不透明な時期でもあり、生コンクリートをほぼ使用しない箱型擁壁を早い段階から優位に進める事ができました。
発注者側からも、現場が海岸より約100m程しか離れていないため、万が一避難する際にも人が登れる擁壁は、非常に有効な工法であるとの後押しもありました。
発注者 : 国土交通省 東北地方整備局
仙台河川国道事務所
工事名 : 二十一浜地区道路改良舗装工事
現場住所: 宮城県気仙沼市本吉町二十一浜地内
竣工時期: 2019年3月
施工規模: 壁高:13m 延長:56.8m
施工面積: 380㎡
       
設計のポイント 当該施工現場は、海岸近くを走る国道45号線で、2011年3月の東日本大震災によって国道に架かる橋梁が津波により被災し、約15m程嵩上げした新設道路の橋台周りに採用されました。擁壁の勾配を1:0.8と緩やかにする事で、同規模の津波が発生した場合にも人が登って避難できる工法としても評価されました。
採用のポイント 設計時は、A1橋台の海側・山側、A2橋台の海側・山側の4箇所で設計していましたが、工事発注後に山側の用地買収の問題が発生したため、最終的にはA1・A2橋台の海側のみの施工となりました。
[ 設計条件] c=15KN/㎡・Φ=30・γ=20KN/㎡ 勾配・形状: 切土盛土・緑化無し・勾配:1:0.8

 
施工事例3 福島県 緑化ができる、箱型擁壁 道路改良

当該現場付近では他の工事も施工されており、工事車両の出入りも多い状況でした。
①トンネル前にJRの高架橋の復旧工事を行っている
②左側にそれていく旧道と取付道路の改良工事(箱型擁壁はここに属する)
③トンネル内では電機設備工事を行ってるため工事車両の出入りがある写真左側は道路改良が進捗しないと箱型擁壁にも着手できないため大きく2回に分けて施工を行いました。(右側を前年秋に構築、左側は越年して施工)そのためか施工業者様は箱型擁壁の施工よりも他工事との工程調整等が大変だったと言っておられました。
発注者 : 福島県会津若松建設事務所
工事名 : 道路橋りょう整備(再復)工事
(道路改良)
現場住所: 福島県大沼郡金山町本名地内
竣工時期: 2021年2月
施工規模: 壁高:9m 延長:29.5m
施工面積: 161㎡
       
設計のポイント 新設トンネル入口の土留壁として当初設計は他社大型積ブロックが採用されていましたが、植生できるものをという発注者の意向で変更採用となりました。
曲線施工には箱型擁壁が長けており景観性も含め採用の後押しとなりました。
採用のポイント 曲線の割に距離が短いので割付の際、どうしても現場打ち目地部は生じてしまう。
[ 設計条件] c=12KN/㎡・Φ=30・γ=16KN/㎡ 勾配・形状: 切土・緑化有り・勾配:1:0.5

 
施工事例4 岩手県 復興支援道路のトンネル坑口箱型擁壁! 道路改良

当該施工現場は岩手県の三陸沿岸道路と東北自動車道を結ぶ宮古盛岡横断道路のトンネル坑口に使用されたものとなります。当初は大型ブロック積にて設計されていましたが、施工中に大雨による土砂崩れにより切土部分が崩落した為、当初設計通りの構造では不適となりました。
そこで、設計コンサル担当者様から箱型擁壁が最適だと評価して頂き採用に至りました。東日本大震災の復興支援道路としての早期開通にも対応し、箱型擁壁が宮古盛岡間の大幅な時間短縮の一端を担うことが出来たことを大変うれしく思っております。
発注者 : 国土交通省 東北地方整備局
岩手河川国道事務所
工事名 : 区界地区道路改良工事
現場住所: 岩手県宮古市
竣工時期: 2021年2月
施工規模: 壁高:9.5m 延長:62m
施工面積: 326㎡
       
設計のポイント 様々な現場状況に対応出来るフレキシブルなところを評価して頂いた。
採用のポイント 土砂崩れによる切土崩壊への対応が必要でした。
[ 設計条件] c=18KN/㎡・Φ=21・γ=13KN/㎡ 勾配・形状: 切土盛土・緑化無し・勾配:1:0.5

 
施工事例5 福島県 顧客ニーズに応じた民間工事 災害復旧

本件は建築基準で計算書を作成し許可申請した物件です。施工現場は2021年3月の震度6の地震があったせいか斜面から瓦礫石が零れ落ちるような状況で急ぎ工事を進める必要がありました。そのため許可申請から1ヶ月後の短期での納入を求められました。箱型擁壁の施工を含めた全ての工事が約1.5ケ月で完了できた事を施主様も驚かれていました。上端部が道路勾配に合わせて段基礎になっていましたがテンサー基礎の為、養生をみないで施工を進められたのも早期施工には大変効果的でした。
発注者 : 民間工事
工事名 : K様邸造成工事
現場住所: 福島県双葉郡楢葉町北田地内
竣工時期: 2019年9月
施工規模: 壁高:10m 延長:77.8m
施工面積: 498㎡
       
設計のポイント 設計コンサル様から箱型擁壁をご推薦いただきました。施工は施主様の建設会社で施工されたため、社員の方が空いている時間で工事をする事になり短期間で施工できることが求められました。
採用のポイント 平面線形で数箇所折れ点があったため、製品の反転使用や、折れ点間の延長をB型製品や調整コンクリートにより調整を行ないました。
[ 設計条件] c=17KN/㎡・Φ=35・γ=20KN/㎡ 勾配・形状: 切土・緑化無し・勾配:1:0.5