2023年4月号

2023年4月号

安全!安心!箱型未来通信

2023年4月号

Apr-2023
vol.43
 
箱型擁壁は耐震性・排水性・安全性・環境性・施工性・経済性に優れた工法として、各地で箱型擁壁工法が採用されています。さらに、急速施工が容易で災害復旧にも最適な工法として全国で2906件の採用実績を積み重ねています。箱型未来通信では、全国の箱型擁壁の施工事例、採用事例を毎回ご紹介しています。
 
施工事例1 宮崎県 施工期間も観光地への所要時間も短縮! 道路工事

高千穂日之影道路は九州中央自動車道の一部として、緊急医療・緊急輸送・観光振興等の活性化に期待する事業として工事が進められてきました。
現場となる日之影町に隣接する高千穂町には高千穂峡や天岩戸神社等の観光スポットがあり、年間約140万人の観光客が訪れることから、県内外の多くの方が目にする交差点となっております。また工事期間中も、国道218号線沿いということで多くの業者様から『どこのメーカーの何て言う製品?』といった問い合わせがあり、箱型擁壁を大勢の方に知っていただけました。
発注者 : 国土交通省延岡河川国道事務所
工事名 : 宮崎218号平底地区改良工事
(高千穂日之影線)
現場住所: 宮崎県西臼杵郡日之影町平底交差点
竣工時期: 2021年4月
施工規模: 壁高:9.0m 延長:66m
施工面積: 494㎡
       
設計のポイント 大型ブロックなどの擁壁よりも控えが小さくなり地山の掘削を抑えられる点、現場打部分を極力抑えられる点、線形等に対応できる柔軟性、外観性、経済性からも他の擁壁と比較して箱型擁壁が優れていた点から採用になりました。
採用のポイント 縦断勾配と曲線形状を2種類のブロックと反転で対応できるシンプルな構造が高く評価されました。また生コンをほとんど使用することなく単粒度砕石のみで積み上げることができるので、施工性の高さが大きく評価されました。
[ 設計条件] c=10KN/㎡・Φ=33・γ=19KN/㎡ 勾配・形状: 切土 / 1:0.5 / 緑化無し

 
施工事例2 鹿児島県 排水機能の高い箱型擁壁! 道路工事

現場はもともとフトン篭が設置してあり老朽化が進んでいたため、擁壁にやり替える工事でした。
湧水が多いためフトン篭が設置されていましたが耐久性の面でコンクリート擁壁での検討となりました。法面保護に関しては通常の練積ブロックで問題はありませんが、排水処理に関して水抜きパイプでは不安が残るため、躯体全体からも排水が可能な箱型擁壁が採用されました。
また、小口止めが別途不要な点や現地が曲線区間であったため、曲線施工の自由度が高く施工性に優れた点が採用のポイントとなりました。通常の大型ブロックとの違いである、胴込めに生コンではなく単粒砕石を使用するため、施工段取りにおいて生コン打設、養生期間などがなく工期短縮が図れ、曲線施工においても非常に優れているとのお声をお客様から頂戴しました。
発注者 : 九州農政局肝付中部
農業水利事業所
工事名 : 荒瀬ダム周辺整備工事 肝付中部
(一期・二期)幹支線水路他
現場住所: 鹿児島県肝属郡肝付町
竣工時期: 2018年11月
施工規模: 壁高:6m 延長:28m
施工面積: 98.5㎡
       
設計のポイント 曲線内で前面の道路との根入れを考慮した平面線形すり合わせ、背面からの特に多い湧水ポイントでの水処理について慎重に検討しました。
採用のポイント 湧水が多い場所で、曲線区間であった為、排水機能及び施工性に優れた箱型擁壁が採用になりました。
[ 設計条件] c=7KN/㎡・Φ=25・γ=18.3KN/㎡ 勾配・形状: 切土・緑化有り・勾配:1:0.5

 
施工事例3 鹿児島県 仮設材を流用して再使用できました 道路工事

当初より東九州道 曽於弥五郎インター整備の仮設道路の擁壁材として採用され、本線開通後に撤去・流用材として役所所有置き場に保管されておりましたが、今回の現場で使用する事が出来ました。色は風化しておりましたが構造上の問題はなく使用する事ができ、新設はBタイプのみの納入となりました。一般的な大型ブロックの胴込材はコンクリートであるため再利用が不可ですが、単粒度砕石を使用する箱型擁壁の利点が図れ、経済性と工期短縮に繋がりました。
発注者 : 国土交通省九州地方整備局
大隅河川国道事務所
工事名 : 東九州道(志布志~大崎)
八ヶ代地区改良工事
現場住所: 鹿児島県志布志市安良地内
竣工時期: 2019年10月
施工規模: 壁高:8m 延長:18m
施工面積: 15㎡
       
設計のポイント 曽於弥五郎IC本線開通に伴い、仮設工事用道路で使用後撤去した箱型擁壁を流用材として再利用する事で経済性を図りました。
採用のポイント 流用材を再利用できた点が経済性・工期短縮に繋がりました。
[ 設計条件] c=10KN/㎡・Φ=30・γ=15KN/㎡ 勾配・形状: 盛土・緑化無し・勾配:1:0.5

 
施工事例4 福岡県 災害復旧で見事現状復旧を果たした箱型擁壁 災害復旧

本工事は道路災害復旧工事です。
もともとは3分勾配のブロック積擁壁でしたが被災したため、コンサルタントからも3分での復旧要請がありカーブ区間であったこともあり箱型擁壁が採用されました。
なだらかなカーブであったので箱型擁壁での施工も美しく、道路の復旧も3分勾配で成功したので発注者からも高い評価を頂いた災害現場です。
施工業者様からも施工のし易さと、短い期間で施工が終わったことを高く評価を頂いた現場でした。今後も箱型擁壁で社会貢献を果たしていきます。
発注者 : 福岡県朝倉県土整備事務所
工事名 : 甘木吉井線道路災害復旧工事
1-7工区
現場住所: 福岡県朝倉市黒川
竣工時期: 2019年6月
施工規模: 壁高:6m 延長:41m
施工面積: 174㎡
       
設計のポイント 3分勾配であったので最も高い箇所が6段で納まったので計算でもOKになり、経済性でも他の大型ブロックより優れてる点を証明できた。カーブ施工は平面に落として、現状復旧に極力近い形で計画出来ました。
採用のポイント 3分での施工可能な擁壁で、カーブ施工が可能な擁壁であったため。
[ 設計条件] c=8KN/㎡・Φ=30・γ=19KN/㎡ 勾配・形状: 切土 / 勾配:1:0.3

 
施工事例5 鹿児島県 大幅な工期短縮を実現 民間工事

当初設計は補強土(テンサー)でしたが、梅雨時期に施工開始であったため、「工期短縮が可能となる地盤反力が少ない製品を」といった、クライアントの意向に応えるため、提案致しました。テンサー・大型ブロックとの設計比較では、工事金額は増加しましたが、工期短縮により発電所の早期稼働開始が可能となることから、費用対効果が高いとの判断から採用に至りました。業者様に箱型擁壁の施工経験があったこともあり、造成工事を含む箱型擁壁1,378㎡が約3ヶ月で完了となりました。また、施工の際に屈曲部が多い現場での、場所打箇所が少ない点を高く評価していただきました。
発注者 : 民間工事
工事名 : 大川太陽光発電所建設工事
(ミタルダ・イクシア頴娃別府太陽光発電所擁壁2)
現場住所: 鹿児島県南九州市頴娃町地内
竣工時期: 2019年9月
施工規模: 壁高:7m 延長:257m
施工面積: 1373.5㎡
       
設計のポイント 当初設計はテンサーで発注となっておりましたが、現地背面土質が悪く購入土量が多いこと等から、施工性が高く、背面良質土の置換が少量で済む箱型擁壁が採用となりました。
採用のポイント 工期短縮による、発電所の早期稼働開始を可能とする点から採用となりました。
[ 設計条件] c=10KN/㎡・Φ=30・γ=19KN/㎡ 勾配・形状: 切土盛土/勾配 1:0.5 /曲線・直線