2020年 1月号

2020年 1月号

安全!安心!箱型未来通信

2020年 1月号

Jan-2020
vol.33 

箱型擁壁は耐震性・排水性・安全性・環境性・施工性・経済性に優れた工法として、各地で箱型擁壁工法が採用されています。耐震性に優れ急速施工が容易で災害復旧にも最適な工法として全国で2765件の採用実績があります。箱型未来通信では、全国の箱型擁壁の採用事例をご紹介しています。

施工事例 1 福岡県 豪雨からの安全性を担保した箱型擁壁 災害復旧
ご採用頂いたポイント:箱型擁壁を連続させ景観性を向上させる意図でご採用いただきました。
2018年7月に発生した豪雨は、家屋の床上・床下浸水をはじめ町内の道路や河川、田畑に甚大な被害を与えました。今回の現場はその内の1つであり、更生施設:野の花学園のグラウンド近くの町道下に幅10m/高さ12mにわたる崖崩れが発生したものでした。偶然にも崖崩れの発生した箇所の隣は、過去に箱型擁壁を設置した箇所で、豪雨による被害は皆無でした。既設の箱型擁壁が無事であったことが安全性の担保となり、災害復旧で再度の箱型擁壁採用となりました。箱型ブロックを積み上げる施工で早期の災害復旧に繋げ、また、安全性と共に景観性も確保でき、発注者様の評価は高かったように思われます。
発注者 : 筑前町役場 様
工事名 : 公災第9号 三箇山開発線道路災害復旧工事
現場住所: 福岡県朝倉郡筑前町三箇山地内
竣工時期: 2019年2月
施工規模: 壁高:12m 延長:9.6m
施工面積: 134㎡
設計のポイント 既設箱型擁壁の側面の災害復旧になります。施工面でも景観的にも適した工法を選定していただきました。
施工のポイント 箱型擁壁の基礎部は単粒度砕石であるため、初めはレベル調整に難があった。しかし、施工を繰り返す内にレベル調整のコツも掴み、また、擁壁を積むだけの施工で、全体として施工は容易であった。
[設計条件] Φ=30°、c=10kN/㎡、γ=19kN/㎡ 勾配・形状: 1:0.7・直線形状 切り土

施工事例 2 福岡県 特殊条件での対応可能な箱型擁壁 道路改良
ご採用頂いたポイント: 特殊条件でも計算上クリアとなったことで、ご採用いただきました。
当該現場は、実際土質試験を行った条件での設計を行いました。土の内部摩擦角がφ20・6°で、粘着量がC=19.2kN/m2という特殊条件であったので、不利側になるφ20°、C=17kN/m2で安定計算を行った。大きな土羽を背負う現場だったため、他の擁壁では対応できない状況で、その上特殊条件でも対応可能な箱型擁壁の採用になりました。現場の曲線施工も1段目の施工が良好であったので、発注者様・施工業者様にも好評を頂きました。様々な現場条件に対応可能である箱型擁壁の良さを実感した現場でした。
発注者 : 福岡県行橋農林事務所 様
工事名 : 県営農村総合事業 中村集落道
現場住所: 福岡県豊前市中村地区
竣工時期: 2018年3月
施工規模: 壁高:7m 延長:90m
施工面積: 293㎡
設計のポイント 背面に土端を負う設計だったので、箱型擁壁しか対応できない現場であった。土質試験にて用いた粘着力より小さい値で設計を行い、安定計算を行いました。曲線施工の展開図作成に苦労しました。
施工のポイント 1段目の施工を入念に行ったことで、2段目からの施工がスムーズでした。また、凸カーブ施工部では反転使用できれいな施工が出来ました。
[設計条件] Φ=20°、c=17kN/㎡、γ=18kN/㎡ 勾配・形状: 1:0.5・盛り土、曲線形状

施工事例 3 沖縄県 土質条件が良くない現場でも掘削土量を減らせる箱型擁壁 道路工事
ご採用頂いたポイント: 安全性、曲線施工、施工性に優れ技術審査証明を受けている。
沖縄の土質条件の良くない現場でも掘削量を少なくできて、施工性でも優位なことを評価していただきました。施工業者様との打合せもスムーズに進み納品完了致しました。
発注者 : 沖縄県恩納村教育委員会
工事名 : 恩納村立統合中学校(仮称)用地造成
現場住所: 沖縄県恩納村立統合中学校
竣工時期: 2018年8月
施工規模: 壁高:10m 延長:117m
施工面積: 780㎡
設計のポイント 沖縄では、まだまだ実績が少ないため箱型擁壁の構造特徴をご理解頂くことに苦労し、設計段階より地元で生産していない単粒度砕石を確保するための活動等苦労の連続でしたが、納品が終わりきれいな仕上がりを見ると、苦労が報われた気がしました。
施工のポイント テンサーの数量が設計数量より多めに出ました。
[設計条件] Φ=23.5°、c=10kN/㎡、γ=18kN/㎡ 勾配・形状: 1:0.5・切土、曲線形状

施工事例 4 福岡県 駅前広場の外観性や機能性に適応した擁壁 道路工事
ご採用頂いたポイント: 緑化ができ、施工が早く、生コンを使用せず、曲線施工が容易。
施工現場が駅前広場のため、工事中も駅、バスの利用者が訪れる状況でした。そのため、施工スピードが要求される場所でした。また擁壁位置が折れ点が多いため、他の二次製品では現場打部が多く出てしまう難点があり、さらにバス停背面の擁壁でしたので、段差をベンチ代わりにしたり緑化をしたりして景観性の良さもコンサル様のご要望でした。ご相談を受けて、施工性が高く、折れ点も反転することで現場打部分を出さず、ベンチと緑化に追加が可能になることをご説明し、経済比較で高くなってもご採用頂きました。施工もコンクリートの養生がなくスムーズに行われ、短期間で完了しました。そのため利用者に迷惑をかける時間が少なくて喜ばれてました。今回の擁壁全体が、完成後の駅前広場にマッチした雰囲気となり、適した工法だったと思います。
発注者 : 福岡県宗像市役所 様
工事名 : 東郷駅周辺整備事業
現場住所: 福岡県宗像市田熊
竣工時期: 2017年3月
施工規模: 壁高:2.0m 延長:52.5m
施工面積: 110㎡
設計のポイント 駅前の開発工事にあたり、目の前がバス停でしたので、擁壁に外観性、緑化、ベンチの設置、コンクリートが不要、コーナー対応との適した点を説明して採用になりました。低い擁壁との比較ですので概算工事費が他工法より高くなった点が唯一の欠点で比較に苦労しました。
施工のポイント 駅前工事で、子供が石で遊ぶ可能性があるという事で、1段目はベンチを採用、2段目も透魂ソイルを採用し、危険防止を図っている。
[設計条件] Φ=30°、c=0kN/㎡、γ=19kN/㎡ 勾配・形状: 1:0.8・切土、曲線混在

技術情報 抑止矢板を使用した箱型擁壁の施工例

今回ご紹介する箱型擁壁の施工事例は右図の様な基本構成になっています。
計画路線は、防衛省の緊急輸送道路に指定されており、全面通行止めができない条件でした。現道が馬蹄形状をしているため、床堀の影響が懸念されました。さらに、現況土質も不良のため他工法との併用を検討しました。
そこで、床堀の影響を低減できる箱型擁壁(H=11.0m)と現道機能保持と土圧軽減を目的とした抑止矢板(NS-SP-50H(SYW295)L=16.0m)を併用して、レベルⅠ地震動(Kh=0.15)にも安全性を確保できる構造となりました。