2019年 7月号

2019年 7月号

安全!安心!箱型未来通信

2019年 7月号

Jul-2019
vol.31 

箱型擁壁は耐震性・排水性・安全性・環境性・施工性・経済性に優れた工法として、各地で箱型擁壁工法が採用されています。耐震性に優れ急速施工が容易で災害復旧にも最適な工法として全国で2718件の採用実績があります。箱型未来通信では、全国の箱型擁壁の採用事例をご紹介しています。
施工事例1 神奈川県 設計開始から10年の長期案件でも、施工は短期間で終了 法面工事

ご採用頂いたポイント: 施工性・景観性・経済性を評価いただきました。
本工事は民間の霊園造成工事であり、設計開始から10年以上経過してから工事発注された案件でした。幾度の設計変更の末スタートした点、さらに現場が神奈川県秦野市の中心部から離れた山中で、本当にこの工事は始まるのだろうか?ボツにならないか?と不安でした。いざ発注され現場事務所ができるとその不安は一変、タイトな納期を要求されました。しかし、規格が絞れている箱型擁壁の特性を活かし、型枠を集中して先行生産を行い、無事完納することができました。施工業者様も箱型擁壁を扱うのが初めてだったためイメージがわかず、当初色々不安がられてましたが、いざ施工がはじまるとその施工性の良さ、景観の美しさ等を喜んでいただけました。
発注者 : 公益財団法人 相模メモリアルパーク 様
工事名 : 秦野霊園造成工事
現場住所: 神奈川県秦野市平沢
竣工時期: 2017年4月
施工規模: 壁高:9m 延長:164m
施工面積: 1343㎡
設計のポイント 大規模な造成計画であり、切土部の擁壁として箱型擁壁を提案しました。当初は補強土・大型ブロック等工法比較の1案でしたが、施工性・景観性・経済性を評価されご採用いただきました。設計条件は、線形に曲線区間があり、階段工の設置もあったことで割付案を何通りか作成しながら提案を行いました。
施工のポイント 当初未知の製品ということもあって、元請さまもいろいろと神経質になられ連日のようにお問い合わせがありましたが、いざ施工がはじまると施工性の良さに驚かれ、お問い合わせも激減しました。
[ 設計条件] Φ=35kN、c=25KN、γ=21KN 勾配・形状: 5分・切土・曲線混在

 
施工事例2 千葉県 悪条件でも工夫次第で対応可能な『箱型擁壁』 道路改良

ご採用頂いたポイント: 緑化ができる。
当該工事は、国道6号線の交通安全対策として歩道部を広げるため、千葉大学園芸学部の敷地の土を留める事が目的でした。多様な工法の中から箱型擁壁が採用されたのは緑化ができる事でした。園芸学部の敷地には様々な植物が生息しており、工事後も箱型擁壁と共存できる景観性も評価されました。しかし、設計段階で土質条件が悪いことが判明し、通常の盛土ではNGでしたが、軽量盛土材を使用することでクリアしました。また、擁壁前面が交通量の多い国道6号線だったため、作業の大半が擁壁背面の狭小スペースで行われました。作業ヤードを確保しながらの分割施工になりましたが、融通の利く製品・工法ということで、ご好評を頂きました。
発注者 : 国土交通省千葉国道事務所 様
工事名 : H29松戸地区他交通安全施設設置工事
現場住所: 千葉県松戸市
竣工時期: 2018年2月
施工規模: 壁高:5.5m 延長:20.8m
施工面積: 248㎡
設計のポイント 土圧を軽減するため、軽量盛土材を採用。
施工のポイント 擁壁全面が交通量の多い国道6号線ということもあり、施工はほぼ擁壁背面での作業になりました。(分割施工)
[ 設計条件] Φ=42、c=0、γ=11 勾配・形状: 3~5分・切土・盛土混在、直線形状

 
施工事例3 山梨県 通行車両と歩行者がおもわず振り向いてしまう見栄えの良い道路擁壁 道路改良

ご採用頂いたポイント: 見栄えが良く耐震性に優れている。
今回箱型擁壁を採用した場所は、国道拡幅工事の既設石積前面に山留として使用しました。施工前の切土丁張設置時に既設石積に干渉してしまう場所があり、切土位置を変更しましたが箱型擁壁は変更した切土なりに設置できるので、大きな変更なく円滑に作業する事ができました。施工の進捗に伴い、国道を通行する車が箱型擁壁に気付き減速して見学することが度々あり、事故が起こらなければいいなと心配しました。又、地元の方と発注者からも見栄えがいいと評判がよく、喜んで頂きました。
発注者 : 山梨県富士・東部建設事務所 様
工事名 : 国道139号 道路工事(明許)
現場住所: 山梨県大月市七保町瀬戸下瀬戸1工区
竣工時期: 2019年7月
施工規模: 壁高:9m 延長:39.3m
施工面積: 239㎡
設計のポイント 基礎材のテンサー施工では、砕石の形状に前面、背面に型枠を入れてテンサー内に砕石を投入すると上面テンサーのよじれがなく施工できました。設置時には、一段ごとに位置高さの丁張と開始・変化点のポイントを設置すると全体的にきれいに施工できると感じました。
[ 設計条件] Φ=23、c=5.4、γ=18 勾配・形状: 4分・切土、直線形状

 
施工事例4 茨城県 ごみ処理施設の擁壁に箱型擁壁を採用、緑化にも対応 民間造成

ご採用頂いたポイント: 施工が早い。経済性、景観がよい。耐震性擁壁、曲線施工が容易。
本現場は廃棄物処理施設の老朽化に伴い、新しい施設を建設する造成工事の外周の擁壁として箱型擁壁が採用されたものです。
工事は設計・施工・運営一括方式での発注となり、設計をしながら施工を進めていきました。そのため設計変更が多く発生し、その都度製品の製造工程や納入工程の調整のための対応が非常に多く大変な現場でした。当該工事では円弧すべりの検討を行いましたが、計算結果より基礎のかごテンサーに滑り線が発生しまい通常使用される基礎部のテンサーでは対応できませんでした。その代わりに現場打ち基礎で検討し採用に至ました。また、軟弱地盤のため全週地盤改良を行いました。景観対策として箱型擁壁上段部の小段には、グリーンポットを設置し植生対応もしています。工事は2021年度末まで続きますが、完成した後の景観が非常に楽しみな現場です。
発注者 : 霞台厚生施設組合
工事名 : 霞台厚生施設組合
新広域ごみ処理施設建設工事
現場住所: 茨城県小美玉市高崎地内
竣工時期: 2018年7月
施工規模: 壁高:9.5m 延長:271m
施工面積: 2036㎡
設計のポイント この物件はVE提案で行っており、工法比較からの再検討となりました。箱型擁壁が採用になるまで約2年ほど掛かりました。宅地造成区域の擁壁のため、確認申請をとるべく、様々な方にご協力を得ることで設計できた案件で、皆様に感謝しております。
施工のポイント 背面の盛土部分を工事用道路との併用で施工したため、施工計画が大変だったようです。施工が進むにつれ敷設スピードも上がり、施工しやすくて良い擁壁と評価を頂きました。
[ 設計条件] Φ=38°、c=25KN、γ=20KN 勾配・形状: 5分・盛土、曲線・折れ有